一橋大学商学部1年生の酒井南菜さん。大学では、海外インターンシップを運営する学生団体に所属し、海外から日本にやってくる学生のサポートをしています。高校生のときに、1年間オーストラリアに留学したことがある酒井南菜さん。当時、自身が言語も生活も慣れない異国の地で大変な思いをした経験から、日本に来た海外の人のサポートがしたいと思ったそうです。SIF Academyには2024年の夏11期生として参加してくれました。そんな彼女に、SIF Academyの良さについてお聞きしました。
SIF Academy参加のきっかけ
SIF Academyに出会ったのは、学生団体の新入生歓迎会で出会った先輩がきっかけでした。その先輩はSIF Academyの参加者で、フィジーでの経験がとても学びになったと言っていて、SIFの代表であり同じ大学の先輩でもある川上さんが登壇する新歓イベントに参加することをお勧めしてくださいました。イベントの中では、フィジーで起業された川上さんの経験は、同じ大学の先輩として、私に新しい将来の選択肢を与えてくれました。
イベントの後、川上さんに「やりたいことに挑戦できたのはなぜだと思いますか?それに必要なことは何ですか?」と質問をすると、すごく丁寧に返答してくれてとても親切な人だと感じました。回答の中でおっしゃった「日本にとどまって、行動しないこと自体がリスクだ。」という言葉は、私にはそういう視点がなかったので大きな発見でした。
SIF Academyは、他の大学の人や社会人の人と関われるのも面白いと思いました。また、社会問題解決に自分で取り組むことはとても大変そうだけれど、普通の大学生活ではできない貴重な体験だと感じました。
背中を押してくれた先輩たちの言葉
正直、入学したばかりの夏休みに参加するのは早すぎるかなと思って心がついていきませんでしたが、SIF Academyを勧めてくれた先輩が、「今行きたいなら今行った方がいい」と背中を押してくれました。また、個別相談会でお話ししたインターン生の「大学生活の中で、長期休み1回に対して、1個は挑戦機会を作った方が良い」という言葉も申し込みを後押ししてくれました。
こういった海外研修プログラムに参加するうえで、途上国への単独渡航や渡航後の生活のサポート、期間などに少し不安がありました。ですが、SIF Academyは現地に在住している方が滞在中はサポートしてくれるし、期間も10日間だったので、一歩が踏み出しやすかったです。
また、SIF Academyに参加した人たちのお話を聞くと、参加前は行くつもりがなかった所属団体の海外インターンシップに、参加後は挑戦している方が多いことを知って、自分にも変化があるんじゃないかと期待が膨らみました。
SIF Academyでのフィジーにおける挑戦
スポーツを通して子供たちにゴミ分別を教えるプロジェクトをしました。そして、自分のプロジェクトを通して、過去の参加者が発案した「ARIGATO EARTH PROJECT」という、ペットボトルの回収に金銭的インセンティブをつけるプロジェクトをもっと多くの人に知らせることができました。
私はスポーツの中でも、テニスをプレーすることが好きなので、ラウトカ市のテニス教室に協力してもらって、教室の子供たちに、テニスの休憩時間中に飲んだ飲み物のゴミをペットボトル・缶・その他に分別してもらいました。そして、分別したペットボトルをJICAが作ったリサイクルBOXまでもっていくと、お金がもらえる「ARIGATO EARTH PROJECT」のことを宣伝しました。「ARIGATO EARTH PROJECT」の話には生徒よりも先生が関心を示してくれて「ペットボトルをたくさん集めて、生徒たちに靴を買ってあげたい。」と言っていたのが印象に残っています。
行動したから、一歩進めた
テニス教室だけではなく、現地の小学校でもプロジェクトを実施しました。小学校でプロジェクトをやろうと思ったとき、土日だったので小学校はやっていないと思ってプロジェクトのお願いをしに行くことを諦めていました。ですが、滞在期間も残り少なくなっていた中、小学校でプロジェクトをやりたいと思っていた私は、とりあえず小学校に行ってみることにしました。すると、土日でも先生がいて、プロジェクトの提案を行い、実行することを承諾してもらえました。
やりたいことを選択する勇気
SIF Academyに参加する以前、私は「やりたいこと」より「できること」を優先してきました。やってみたいと思いついたことがあっても、リスクを想定してから行動するので、行動が遅く諦めることも多かったです。
ですが、SIF Academyを通して得た「行動したから、一歩進めた」経験は、やりたいことを選択し行動することで実現できることがあるということを教えてくれました。
帰国後に踏み出した、新たな一歩
帰国後に所属団体の幹部に立候補しました。以前までの自分だったら「できるかできないか」で考えて、幹部になれる可能性は低いので諦めていたと思います。ですが、SIF Academyで「やりたいことはとりあえずやってみる」という考え方に変わって、どちらの結果になるにせよ、自分がやりたいと思ったことなので立候補することにしました。
SIF Academyの良さと意外な学び
10日間の短期という期間設定がよかったと感じています。SIF Academyでは短い期間の中でプロジェクトを考えて終わりにするのではなく、実行に移すことができます。その代わり自分が動き出さないとプロジェクトを前に進めることはできません。10日間という制限が追い風になって、勇気を出して「やりたいこと」をするための一歩踏み出すことができたと思います。
SIF Academyで得た挑戦と、未来への展望
私にとって同じ時期に渡航した仲間は、悩んだときに相談できる友人としても大きな存在ですが、今後につながる大きな刺激にもなりました。大学に入学してから、大学を学ぶ場ではなく、楽しむ場にしていました。ですが、仲間から彼らが挑戦していることの話を聞いて、大学時代をもっと挑戦でいっぱいにしたいと思うようになりました。これからの大学生活は、勉強もしながらいろんなことに挑戦していこうと思います。