2025年春季プログラムの募集は2025年1月12日まで!まずは公式LINE登録する

人を巻き込んでゴミ分別の意識を変える。挑戦を経て開けたキャリアの選択肢

医師として大学病院腫瘍内科に勤務している鈴木梨沙子さん。特殊で新しい分野である、腫瘍内科の医師として働くことはとても大変ですが、患者さんやその家族と深く関わることができ、技術の進歩に携わることができることにやりがいを感じて、日々仕事に打ち込んでいます。

そんな梨沙子さんは、2024年9月に14期生としてSIF Academyに参加してくれました。彼女が感じたSIF Academyの良さについてお話ししてもらいました。

目次

SIF Academy参加のきっかけ

フィジーに行くきっかけは、SIF Academyに参加したことがある大学の後輩に声をかけられたことでした。後輩とは大学を卒業した後も頻繁に連絡を取っていて、彼女がフィジーで精力的にチャレンジしている様子を知っていました。

ある日、彼女から「フィジーに来ませんか?」という誘いがありました。「Risakoさんとフィジーの化学反応が見てみたい。SIF Academyにぜひ参加してほしい。」と勧められ、彼女に話を聞くことにしました。そして、SIF Academyが短期間のプログラムであること、外資系の人事や教師として務めている方から大学生まで年齢も立場も異なる人が参加していることを知りました。彼女がフィジーで感じたことや変化を知っていたからこそ、立場や年齢が違う私が参加すれば彼女と違った感じ方や変化があるのではと思いました。このプログラムはどんな人が参加しても、何かを得ることができるんだとその時に感じとりました。

海外で受けた刺激

2024年6月にアメリカの学会に連れて行ってもらったことも大きな転機でした。最初は、学会の中で英語を使って意見交換をすることができるかどうか心配でしたが、個別で話すことができる時間でとにかくたくさん質問をすると、だんだん英語が分かるようになりました。この経験は私の自信になりました。

また、環境や価値観が違えば、人の価値観も変わってくるということを体感しました。一気に視野が広がり、日本国内が狭く感じるようになりました。もともと海外には興味がありましたが、あまり行く機会がありませんでした。しかし、アメリカで他国の人たちと接し、刺激を受け、もっといろんな刺激を受けたいと思いました。貪欲に学ぼうという意志が私の中で芽生え、気持ちが外向きになりました。

SIF Academyでのフィジーでの挑戦

フィジーのコミュニティと協力し、リサイクル意識の向上や環境啓発をテーマに活動しました。

フィジーではゴミのポイ捨てが日本より多く、道の端や道路の溝の中にゴミがたくさん落ちています。また、ゴミは分別せずに回収するので日常的に分別するという習慣があまりありません。そこで、地域住民やPRF(Pacific Recycling Foundation・貧困支援団体)と連携し、住民のリサイクル意識を高めるための取り組みを実施しました。その一環として、リサイクルボックスの長期設置に向けた交渉を行い、さらにはラグビーの3分間のパスの回数をはかるギネス記録に挑戦するというユニークな形で、ゴミ分別や環境保護の重要性を伝えるイベントも開催しました

また、家庭訪問やゴミ分別に関するイベントを通じて、子どもから大人まで幅広い世代と直接対話を行い、リサイクルの大切さを伝えました。この活動を通じて、地域全体が協力し合う空気を作り上げることを目指しました。

時間や文化の違いとの闘い

プログラム期間が10日と短い中で、企画の準備から実施、結果を出すまでを迅速に進めなければならないプレッシャーは計り知れないものでした。この短期間という制約は、積極的な行動を促す一方で、計画通りに進まない状況に苦しむことも多々ありました。

特にリサイクルボックスの設置交渉やギネス挑戦の準備は、時間との戦いを象徴する出来事でした。

リサイクルボックス設置に向けては、現地住民やPRFとの信頼関係を築きながら交渉を進める必要があり、短期間で成果を出す難しさを痛感しました。一方、ギネス記録への挑戦では、公式レフェリーの確保や記録条件を満たすための厳密な準備に追われ、何度も諦めかける場面がありました。

さらに、フィジー特有の「フィジータイム」と呼ばれる独特の時間感覚にも悩まされました。約束の時間通りに物事が進まない状況に対し、計画をその場で修正し、柔軟に対応する力が求められました。ギネス挑戦では、公式レフェリーの確保や記録達成に必要な条件を満たす準備に追われ、一度は不可能だと諦めかける場面もありました。また、必要な条件を整えた後も、協力を頼んでいたラグビーチームが約束の時間に現れないという状況に直面しました。しかし、現地の人々の協力やコミュニケーションを通じて状況を打破し、なんとか挑戦を実施することができました。

小さな「成功」を積み重ねる

限られた時間だからこそ、小さな成功体験を積み重ねることを心がけました。限られた期間の中で大きな目標を達成しようとするあまり、進捗が見えないと焦りや不安に陥ることが多々ありました。そのような状況でも、目の前で起きた小さな変化や達成を「成功」として捉えることで、自分を励まし、次の一歩を踏み出すエネルギーに変えることができました。

例えば、はじめは指示を聞いてゴミ拾いや分別を行っていた子どもたちが、翌日には自発的に分別を意識しながらゴミ拾いをしてくれました。積極的に参加し、「何を集めたらいい?」と自発的に聞きに来てくれる姿を見たとき、リサイクル意識が確実に芽生えていると感じました。また、家庭訪問で大人たちが話に耳を傾けてくれたり、次のアクションを共に考えたりする時間を持てたとき、その一瞬一瞬が「成功」として感じられました。

イベントに参加した子どもたちが「また来てくれてありがとう」「次は私がみんなに教える」と言ってくれたとき、自分の小さな「成功」を積み重ねて行ったイベントが一過性のイベントではなく、彼らの日常や未来につながる可能性を感じ、胸が熱くなりました。

今ある状況を冷静に受け入れること」と「その中でできる最大限の行動を探すこと」この2つを意識しながら計画が崩れたときにも新たな可能性を模索し、柔軟に行動することで、状況を打開する力を身につけることができたと感じています。

活動が誰かの心に届くという実感

フィジーのコミュニティでの活動は、単なるタスクの遂行ではなく、人々との心の交流がその本質だったと感じています。相手の表情や言葉、行動から自分の伝えたいメッセージが確かに届いていると感じられた瞬間が、何よりの励みになりました。

ある少女の「あなたのメッセージを伝え続ける」という言葉に、涙が止まりませんでした。自分の活動が誰かの心に確かに届いた瞬間でした。

また、大人たちと直接対話する場面でも、はじめは関心が薄そうだった人たちが話を進めるうちに「それは重要なことだね」と真剣に受け止めてくれた瞬間、言葉の力と自分の情熱が相手の心を動かしたと確信しました。

誰かの心に活動が響くことで、「自分の努力は無駄ではない」と思え、その実感が活動を続けるエネルギーとなりました。一人の行動が波紋のように広がり、多くの人の心に届く可能性を信じられるようになったのは、このフィジーでの経験があったからこそです。

SIF Academyの良さと意外な学び

やりたいことを、やりたいように

SIF Academyのプログラムにはレールが敷かれていません。やりたいことをやりたいようにできるし、やりたいことをやった後で結果に応じて自分のプロジェクトを進めていきます。サポートを受けながら、次の日の予定を、プロジェクトの進行具合に合わせて自分で立てることができます。なので、自分がやろうと思えばいくらでも挑戦できるところが楽しかったです。

挑戦することはもともと好きでしたが、医者として働く中で実行することは難しく、久しぶりの感覚でした。大学を卒業した後は挑戦をすることがあっても、個人での挑戦が多く、人を巻き込んで挑戦するということは6年ぶりの経験でした。大学生のときより自分も成長していたし、フィジーという開放的でフレンドリーな人が多い環境でより多くの人を巻き込むことができました。

フィジーの最前線で活動できた訳

SIF Academyを運営するSocial Innovation Fijiはフィジーを拠点に活動を広げ、現地の団体や行政機関、町の人々と協力体制を築いています。そのため、ラウトカ市内でも認知度や信頼があり、参加者はフィジーの生活に入り込むことができます。私たちをフィジーの最前線に送り込んで、やりたいことにとことん挑戦できる環境は、フィジーを拠点に活動している団体だからこそ提供できるものだと思います。

環境を最大限活用すること

SIF Academyでの経験を経て、与えられた場面でも、その状況を自分でどう使っていこうか考えるようになりました。フィジーでは、私のことを誰も知らない状況の中で自分がやりたいプロジェクトを提案し、受け入れてもらい、プロジェクトの実現に向けてたくさんの人を巻き込み、プロジェクトを成功に導きました。これらの経験はとても大きな自信になりました。

帰国後、職場では特に研修医教育や学生教育を請け負うようになりました。まだ知識も経験も浅い研修医や学生に大きな影響を与えることができるし、自分自身、彼らのような年代と接することにも抵抗がありません。また、指導するときの決まり事も多くないので、そういった環境をチャンスにして自分自身で指導内容を工夫して挑戦しています。

SIF Academyで得た挑戦と、未来への展望

もし、SIF Academyに参加していなかったら、定まったロールモデルがない腫瘍内科という分野で自分のキャリアを作っていこうという意気込みは薄いものになっていたと思います。色々な圧力に負けて、言われたことだけをやる人生になっていたかもしれません。

しかし、SIF Academyに参加したことで、自分のキャリアをどう切り開いていくか、ということを考えるようになりました。キャリア開拓のため、製薬会社さんからの説明会や講演の依頼も受けるようにしています。最近は医者としても、海外で挑戦してみたいなと思い始めました。

LINE登録でSIFアカデミーの最新情報がわかる!

LINE登録で各期の活動内容やニュース、参加者のリアルな声などを配信しています!

説明会や個別相談では
「海外は初めてだけど大丈夫かな......?」
「フィジーってどんなところ?」
「プログラムではどんなことができるの?」
など疑問を解決できます!

シェアはこちらから!
  • URLをコピーしました!
目次