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なにも予定がないのに最大級に心が忙しい村|6月18日(日)

一歩外に出れば必ずなにかハプニングが起こるので、日記にこれを書こうと思っていてもそれを上回るハプニングがさらに起こり、書きたいことが書き切れなくて困る。

またサウェニ村に一泊してきた。先週、「また来週も来るよな」と何度も念を押されたからだ。

泊まらせてもらったご夫婦にルームメイトが日本のカレーを振る舞うという約束を以前からしていた。今回は午前11時くらいに伺って、一緒にカレーを作って食べた。好評だった。

今回は泊まらない予定だったのに、「泊まらないと1週間泣くよ〜」と冗談で言われ、やっぱり泊まることにした。まだ2回しか会ったことのない外国人をここまで受け入れてくれるのはなんでなんだ。再会したときに「My Lovely Daughter ~~」とも言われたし。もう一度言うが、会うの2回目ね(嬉しいけど)。

カレーを食べ終わったら皆で横になって休んだ。そしたら、彼らの孫にあたる女の子2人が家に入ってきた。下の子はまだ5歳だけどフィジー語と、少しの英語も話せるみたい。

そしたら、なぜか私の足のマッサージしてくれると言う。ベビーオイルを塗って左足を上の子、右足は下の子がぷにぷにしてくれた。どういう状況なんだろう。ありがとう。

一休みして、キャッサバを買いに行きたいから町に行こうと言われた。夫婦と、その2人の女の子と合計6人で車に乗る。5人乗りの車だから1人は膝の上に。風が気持ちよかった。

途中で広大な芝生のグラウンドに、人が大勢いるのが視界に入ってきた。フィジー各地から集まったラグビーチームの大会が行われているようだ。車を止めて奥さんだけが買い物に行っている間、ラグビーを観戦した。観戦したというより日本の6〜7倍強いと言われる日差しの下でぼーっとしてしまった。

気づいたら日が傾いていて喉の渇きも限界だ。帰って少し寝ていると夜ご飯ができている。帰り道に買ったパンと、焼いた卵とタマネギ。特に味付けはない。プラスでキュウリの輪切り。パンにバターをたっぷりと塗って差し出される。あ、ありがとう。食後は粉末ミルクたっぷりのココア。それだけでも甘いのに、フィジー人はさらに砂糖をスプーン大盛り2杯加えて飲む。

食べ終わったらまだ20時だった。寝転がって21時。電気が消される。最初の1時間、誰も寝ていないのが分かる。なんで消したんだ。とりあえず目をつぶった。

誰かが家のドアを中から開けたみたいで、目を閉じていたのに光を感じた。朝になったようだ。微睡んでいたら夫婦が喧嘩している。ええーー。私が寝ていたマットレスがあるスペースとは薄い布で隔てられていたから直接見てないが、皿を割る音もする。気のせいかもしれないけど「マテヨ!」って言ってた。気のせい。夫の方が出て行っちゃったみたいだ。

少し気まずくなりながら出された焼き菓子と紅茶を飲んで、村の真ん中にある教会に行かせてもらった。日曜日の午前中はお祈りをするので、村中から人が集まる。私も服を貸してもらった。

中に入ると長椅子がずらりと並び、テロテロの緑の布に覆われた裁判所のセットの様なものがある。椅子に座ったら、とてつもない視線を左から感じた。30人くらいの子ども達がほぼ全員こちらを見ている。終わった後もめちゃくちゃ話しかけられて、転校生の気分になった。

お祈りの中身は、正直なにをやっていたのか全くわからなかった。全部フィジー語だから。でも、ゴスペルは圧巻だった。3重くらいの音が聞こえる。フィジー人は体格がいいので、声がよく出るよく出る。すーげえ気持ちよさそう。私も思いっきり声を出したくなった。

小学校のとき所属していた合唱団で、各パートが音を覚えて初めて声を重ねたときに出る和音に、鳥肌が出るほど感動した体験を思い出して、涙が出そうになった。

あとは、裁判所で言うところの裁判長が座る席に男性が立ち、力強く何かを話していた。泣いている人もいる。何て言ってたのかなあ。これを毎週やっているのかと思うと、いかにキリストが、宗教が、この人たちに内面化されているのかが分かる。

お祈りが終わったらお昼の時間だ。親戚の人が昨日の夜近くの海で獲った魚をココナッツで煮た料理。魚臭くないかな……と恐る恐る食べてみると、この村で食べてきた料理からは想像もつかないほど美味しかった。

ふわふわの白身魚。ココナッツで煮ただけだと言っていたが、塩気もあった。ホオズキみたいな唐辛子を切り入れ、ライムも搾って入れるともっと美味しい。やっぱりフィジーの食材はフィジーのやり方で食べるのが1番みたいだ。フィジー人が作った料理のなかで1番美味しかった。「カナ(食べな) イカ(魚) レヴ(もっと)」と言われ続けた。

午後2時から予定があったのでそろそろ帰る時間だ。昨日のラグビーから、お昼の食卓まで、色んな親戚と話したり一緒にご飯を食べたりしたので、すっかり仲良くなっていた。最後、車に乗るところまで女の子が私のバックを持ってくれた。優しい。ありがとう。

また行きます。

その夜、奥さんからメッセンジャーで「come and have dinner」というメッセージが写真と共に送られてきた。

もう?私のおばあちゃんよりお節介だ。それより仲直りができたのか気になる。

また行きます。

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